"5-3-2と機動力の相性" 成功したコンテとの比較
現代サッカーにおいて、5-3-2、または3-4-3のようなシステムが主流になってきている。
キーパーの前に3人のCBを置き、その両サイドの前の位置にウイングバックを設置する。
昨季、コンテ監督がチェルシーでそのシステムを用いてプレミアリーグで優勝した。
コンテ監督が元というわけではないが、最近ではこのシステムを使うチームが多い。
両ウイングバックのアップダウン、中盤の2枚の制圧力、インテンシティ、前線の攻撃力、機動力。これらを兼ね揃えていないとこのシステムで相手を圧倒することは困難である。
その中で、今季このシステムを導入しているエバートン。
中々いつもの調子とはいかず、開幕から難しい試合が続いている両チーム。
どちらも補強に積極的で、選手層、レベルではプレミアでもトップクラスである。
しかし、なぜ5-3-2で結果をつかむことができないのか。
個人的に考察したものを書きたいと思います。
まずエバートン。5試合終わって勝ち点4と降格圏内にいるという驚きの数字ですが、僕は必然的だと思っています。
シグルズソン、キーン、ルーニーなどの選手を新たに加えたものの、それらの選手を上手く使えてるとは思えません。
それは前線の機動力、プレースタイルが理由だと思っています。
クーマン監督は主に前線はルーニー、シグルズソン、サンドロなどを使っています。裏に抜けるスピードや、個での打開力となるとミララスやカルヴァートルウィンがその能力に長けていますが、スタートから使わないため、機動力を使えません。
足元が上手い選手たちが多いので、相手を横へ動かして揺さぶることはできますが、相手やバックラインを引き出す縦の動きをさせることが難しいため、相手の目線は常に相手とボールを同じ視線で見ることが出来ます。
なので早い攻撃を仕掛けてもある程度のチームは対応でき、チャンスを作り出すことが1試合を通しても少なく、得点につなげることが難しくなっています。
エバートンの他にも、ウエストハムなども5-2-3システムを使っていますが完璧に機能しているとは言い難い状態になっています。
このシステムで大事なのは、一人一人の個の推進力だと感じています。
1人がこなせるタスクが多いほど、チームとしては幅ができ、いい方向に繋がると感じました。